大蔵流狂言善竹会
手塚治虫作品・新作狂言
「老人と木」  原作・手塚治虫 「ブラック・ジャック」より
「老人と木」 (ろうじんとき)

原作 手塚治虫 「ブラック・ジャック」〈老人と木〉より
狂言脚本・演出 善竹 隆司 
〈協力〉 株式会社手塚プロダクション・公益財団法人宝塚市文化財団

登場人物 (シテ)老人 (アド)山伏 (アド)閻魔大王

手塚治虫氏生誕80周年を記念して、ゆかりの地である宝塚にて制作初演された新作狂言。数多くの手塚作品の中から、名作ブラック・ジャックを原作に取り上げ、中にも1976年5月発表の第125話「老人と木」をモチーフに狂言の舞台で再現しました。作品テーマである「人生の生き甲斐」とは何かを狂言の手法で軽妙に描きます。

《「老人と木」 あらすじ》
山伏は、1本の大木を守る事を生き甲斐にしている老人に出会います。
その大切な木が切り倒される事になり、老人はなんとか木を救おうと役人に掛け合いますが、聞き入れてもらえない。悲観した老人は・・・。

原作では、高層ビル建築の為に大木のケヤキが切り倒されそうになります。それをなんとか止めさそうと老人は奮闘しますが力及ばず、老人はケヤキで自殺を図ろうとします。そこへ通りがかったB・Jが助けに入り、手術の結果老人は一命を取り留めます。手術で昏睡状態の老人は、夢の中でケヤキの精霊に出会い、その精霊の告げた場所を訪れると意外な結末が待っている・・・というお話。

新作狂言「老人と木」では、精霊は登場せずに、地獄の主・閻魔大王が登場します。
この閻魔も昨今の芳しくない状況をなんとかするべく、はるばる地獄からやってきます。そこへ生きる気力を失った老人と
六道の辻(この世とあの世の分かれ道)で出会います。さてどのような結末を迎えるでしょうか。
 

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